Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「ふぅ……」
狐は近くの川で口直しのため水を飲んでいた。
その間私はお花を摘んでいた。
「全く、私のご主人様はヤンチャすぎて、わざとなのかわざとじゃないのか……」
あ、このお花かわいー。
「番人様」
「見て見て!お花を摘んだのよ!」
「それでも、私はこの可愛らしい番人様が好きなんだなぁ……」
「へ?何か言った?」
「いいえ、ほら……お乗りください」
狐の背中に乗り、ゆっくりと狐は歩き出す。
「そういえば敵多いわねーー」
「はい、ヘルシオン家はカルタス家の敵ですから、貴女様を狙っているのです」
ヘルシオン家……時間の番人……。
「私には荷が重すぎるわ……。
時間の番人も、シャルディ、サラを助けるのも……凄く怖いわ」
「大丈夫です、番人様、貴女は……
ヘルシオン家の正式な後継者ですから」