Magic Rose-紅い薔薇の少女-


「ふぅ……」

狐は近くの川で口直しのため水を飲んでいた。

その間私はお花を摘んでいた。

「全く、私のご主人様はヤンチャすぎて、わざとなのかわざとじゃないのか……」

あ、このお花かわいー。

「番人様」

「見て見て!お花を摘んだのよ!」

「それでも、私はこの可愛らしい番人様が好きなんだなぁ……」

「へ?何か言った?」

「いいえ、ほら……お乗りください」

狐の背中に乗り、ゆっくりと狐は歩き出す。


「そういえば敵多いわねーー」

「はい、ヘルシオン家はカルタス家の敵ですから、貴女様を狙っているのです」

ヘルシオン家……時間の番人……。

「私には荷が重すぎるわ……。
時間の番人も、シャルディ、サラを助けるのも……凄く怖いわ」

「大丈夫です、番人様、貴女は……
ヘルシオン家の正式な後継者ですから」

< 114 / 258 >

この作品をシェア

pagetop