Magic Rose-紅い薔薇の少女-
第五章‐あの子の記憶
何処に、行くの?
あ、この道はまさか……。
やっぱり…。
…………水仙の泉。
幼い水仙……。
女の子の姿を見つけると忽ち笑顔になった。
『──と?』
『──う────よ』
え?聞こえない……。
少し二人に近づいた。
『へー、ローズかぁ』
え……私?
その赤ちゃんは、私なの?
ここは……サラの記憶?
あの子って……。
そんなことを考えている間に、サラと水仙は消えてしまった。
そう、あの時フィルや家が消えてしまったみたいに。
と、いうことは次の記憶が何処かにある筈だわ。
でも、何処に……。
グラリと空間が歪んだ。
すぐに歪みは元に戻ったが、もう夜になっていた。
水仙が立っている。
『さぁ契約するのです』
女の人だわ。
『私たちカルタスに協力すると誓いなさい』
カルタスですって!?
突然水仙の背後からガサッという音がした。
音がした方を見るとそこにはサラがたっていた。