Magic Rose-紅い薔薇の少女-
サラ……サラ…………。
私の愛するお姉様……
貴女は何を想って
『ころして』
そう言いましたか?
空間がグニャリと歪んだ。
気持ち悪い。酔いそうになる。
さっきより長い。
段々空間が形を作っていく。
此処は……家だ。
サラが私を抱いて、歌を歌ってる。
『ローズ、ごめんね……わたしね、しんじゃう』
あの時、水仙の前では見せなかった涙を流す。
『スイセンはきっと、わたしをころしてくれるから……。
でもね、ローズ。きっとお空にはお父さまがいるからへーきなの!』
無理に笑うなんて、私の前ではしなくて良かったのに……。
「……姉様、お姉様」
謝るのは、私……。
『サラは、しあわせでした……』
手を伸ばした。
だけど、私の手は、すり抜けた。
触れられない……。
そう、これは過去。
過ぎ去った記憶。
私にはどうすることもできない……。