Magic Rose-紅い薔薇の少女-
また空間が歪んでいく。
ポウッと、月が浮かんでいる。
泉だ。水仙もいる。
『スイセン、きめた?』
『うん、でも私には出来そうにないから闇の力を借りようと思うんだ』
闇の力……。
水仙は手のひらに真っ黒な玉を出した。
きっとアレが闇の力……。
『ごめんね、サラ……』
シュウウウッと彼の中に闇が広がる。
そしてサラに水が襲いかかる。
パシャリと水が滴り落ちる。
『ねぇ、わたしはそんなんじゃころせないよ……“水なんか”でしなない!』
『水なんか?馬鹿にされたもんだな!』
水仙は笑う。
狂ってる。
もう、彼じゃない。優しい彼じゃ……。
さっきより勢いよく水が襲いかかり、サラは投げ飛ばされた。
その衝撃で木に激突。
しかしサラはそれでも立ち上がった。