Magic Rose-紅い薔薇の少女-
足元はふらついていて大分辛そうだ。
『あなたの力はそのていどなの!?』
ワナワナと水仙は震えだした。
『黙れえぇぇぇぇぇ!!』
水はたちまち氷に変化した。
そしてそれはサラの元へ。
『あああっ!』
氷は彼女の右目を貫いた。
綺麗な紅い左目からは涙。
右目は……赤黒く、血の色に染まっていた。
そしてソコから血の涙が流れ落ちる。
『スイセ……』
ポロリと水仙の目から涙が零れ落ちた。
自我が戻ってきたよう。
『だめっ……スイセンッ……』
サラは痛い筈なのに……そんなの微塵も見せない。
『心をやみにそめて!!』
『サ、ラ……』
ニコッとサラは微笑んだ。
『~~っ、頭、がっ……』
水仙は頭を押さえた。
まだ幼い二人にこの状況は不似合いだった。