Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「辛かったわね、悲しかったわね、寂しかったわね、痛かったわね……
ごめんなさい」
私だけ生きてしまった。
そして水仙の様にサラは消えた。
所詮記憶。
そう、記憶に過ぎない。
「え……」
ポタリと血が落ちる。
私の右目から、サラの様に血の涙が溢れる。
「嫌っ……嫌だ……嫌ぁ!!」
右目ではもう赤黒い世界しか見えない。
きっと私の右目はあのサラの様になっているんだろうね……。
『貴女はこの記憶干渉しすぎました
だから、この記憶に染まってしまいなさい』
「貴女は誰なの!?」
森に響き渡るその声。
『あら、その内わかる事です。
聞く必要なんか、ないのですよ……?』
「五月蝿いのよ!!」
『あら、そう……それでは待っていますよ。
時間の番人、ローズ・ヘルシオン“様”」