Magic Rose-紅い薔薇の少女-


私は駆け出した。

「あっ」

急ぎすぎて転んだ。

ザワザワと森がざわめく。

私は身震いした。

『フフフ、怖いのですか?』

「私は進むわ!
例えそれが罠だとしても……私は自分の姉を助けに行く!」

『見ものですね』

クスクスと笑っている。


『サラは、この世界から消え去るのです』

「嘘よ!そんな事!!」

『わかりました。
進んで下さい。』

目が戻っていく。

顔に、血の後を残し、目は元に戻った。


私は、更に進んだ。



あ、あれは門……この奥に何が……。

「教会……?」

小ぢんまりとした、忘れ去られたような教会。

入るべきよね……。

ギィィッと音をたてながら扉が開いた。

一番奥に、石像があった。

私は目の前に行き、手を合わせた。

ヴィーナス像の様な石像。
白くて、古いのに、とても綺麗。

< 124 / 258 >

この作品をシェア

pagetop