Magic Rose-紅い薔薇の少女-
私は駆け出した。
「あっ」
急ぎすぎて転んだ。
ザワザワと森がざわめく。
私は身震いした。
『フフフ、怖いのですか?』
「私は進むわ!
例えそれが罠だとしても……私は自分の姉を助けに行く!」
『見ものですね』
クスクスと笑っている。
『サラは、この世界から消え去るのです』
「嘘よ!そんな事!!」
『わかりました。
進んで下さい。』
目が戻っていく。
顔に、血の後を残し、目は元に戻った。
私は、更に進んだ。
あ、あれは門……この奥に何が……。
「教会……?」
小ぢんまりとした、忘れ去られたような教会。
入るべきよね……。
ギィィッと音をたてながら扉が開いた。
一番奥に、石像があった。
私は目の前に行き、手を合わせた。
ヴィーナス像の様な石像。
白くて、古いのに、とても綺麗。