Magic Rose-紅い薔薇の少女-
翌朝、ローズはいつも通りランティスの元へ行った。
「おはよう、お母さま」
「あら、ローズ、起きたのね。おはよう」
ランティスはニッコリと微笑んだ。
それは今までと変わらず、愛が溢れた、そんな母親の笑みそのものだった。
本当に、お母さまはわたしを売ったの?
しんじられない。
だって……こんな風にわらう人が売るなんて……。
「今日はお天気がいいから庭のお花に水をやっておいてくれる?」
「はーい」
ローズは外に出てジョウロを掴み、水を汲んだ。
お気に入りの歌を口ずさみながら花に慣れた手つきで水をあげていく。
「あら?」
ふと顔をあげたローズは視界に入った小さなモノに目を奪われた。
「あなたは……」
それはリスだった。
茶色い、小さな可愛らしいリス。
「リスさん、こんにちは!」