Magic Rose-紅い薔薇の少女-


私は外に出た。

「こんなに綺麗な建物なのに、ルーシーの
悲しみ、憎しみ、恨み……」

悲しい感情で出来ているなんて。


あれ、そういえば道なんて、此処以外にあったかしら?

後ろを教会を振り返る。


…………え?
教会の後ろにお城!?

まさか、ここに?

さっきまでなかったし、道は此処以外ない。

此処に、それ以外に納得のいくような答えが他にある?


答えは、ノーね。
ないもの。

「こんにちは」

例のうさ耳の女の子が現れた。

「その髪飾り返して!」

「嫌」

彼女は髪飾りを取ると、呪文を唱えた。

「サラ様の元へ」

最後、そう言って締めくくった。
すると髪飾りは何処かへ消えた。
きっと“サラ様”の所へ。

「なんてことを!
大事なものなのよ!?」

「なら来ること」

彼女はまた消えた。

せめて何かヒント位くれても良かったのに……。

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