Magic Rose-紅い薔薇の少女-
あ、兎。
なんでこんな所に……
ってあのリボンは……。
「ま、待って!!」
まるでアリス、白兎を追いかけてたどり着いた先は、扉の前。
一番最初、サラの助けを求める映像を見た時に見た扉にそっくりの。
カチャリと、簡単に扉は開いた。
「サ、ラ……」
「ロー、ズ?」
「サラ!!」
私はサラに抱きついた。
ちゃんと、此処にいるサラだ。
記憶でもない。
ちゃんとサラだ。
「ああ、ローズ……」
「その声、さっき一階で私を止めた声……貴女だったの?」
「バレた?そう、私よ」
10年振りの再開。
もう、会えないかと思っていた、私の姉。
「それは?」
私の右目に残る血の涙の後にサラは目を止める。
そして何も言わずにそれを魔法で消した。
「……わぁ」
「折角の綺麗な顔が台無しだものね」
コツッコツッと言う音が聞こえる。
サラの顔が強張る。
足音が、止まる……。