Magic Rose-紅い薔薇の少女-
――魔力、解き放たれたり
ネックレスはエクセディの手の中で光出し、エクセディを呑み込んだ。
――速やかに所有者に渡すのだ。
「嫌ですわ!」
――早く!!
それならば力付くでも返すまでだ!
呑まれる!?
そう思った瞬間、声が聞こえた。
――死の制裁を
目を瞑り、もう一度開く。
その時の私の目に光は宿っていなかった。
「殺すのか?」
聞きなれない男の声。
顔を見れば、ニコリと微笑む男がいた。
「貴方は?」
「フィレンツェ・カルタス。
エクセディの兄さ」
「……敵」
私はバッと彼に突進した。
それを回避しようと手を上げたフィレンツェだが、妹の異変に止めた。
「エクセディ……?」
エクセディはそんなの聞こえないかのように自分の手のひらを見つめていた。
嫌な予感がした。