Magic Rose-紅い薔薇の少女-


――ローズ、聞こえるかい

この声……。

貴女は

――なに?

まさか、


ローリエ?


――正解。
  私はいつもあのネックレスの中にいる。

ハッと意識が現実へと戻る。

目の前には少し焦げた右手を見せるエクセディが。

「何ですの?これ……」

シュウウッと焼けるような音をたてながら彼女の腕へ指先へと焦げは広がり始めた。

「やぁ!!」

ネックレスの当たっている場所も徐々に……。

ポロリと涙を流し、泣き叫んだ。

「嫌アアァァァァ!!」

エクセディが、焦げて行く……。

フィレンツェは止めようと、駆けよった。

「エクセディ!ネックレスを外すんだ!」

フィレンツェがネックレスに手をかける。
しかし、彼は即座に手を離した。

「なんだこの熱さ……」

エクセディへの呪いは止まらない。

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