Magic Rose-紅い薔薇の少女-
ふわりと体が浮く。
「ご招待致しましょう」
何をする気!?
彼も浮き、空高く舞い上がった。
私はお城の前で地面に足をついた。
フィレンツェの、声が聞こえた。
彼が私に話してる訳じゃない。
城から直接、私に語っている。
――この城の中、俺ら兄妹は二人きり
寂しい?言えるわけがない。
仕方がないことだ。
エクセディは、
寂しさからブラコンに
身の拠り所が俺しか無かったから。
そして、性格もまた、彼女は歪んだ。
ポロッと涙が流れた。
辛かったはず。と。
ザシュッと背後から何かを切る音がした。
「番人様、隙にはお気をつけを」
この声は……
「狐……」
「全ては奴の戦略、さぁ、進みましょう」
城の中に足を踏み入れた。