Magic Rose-紅い薔薇の少女-
長い、長い廊下だ。
「番人様!」
いきなり後ろから押され、半分程狐にのし掛かられるカタチになった。
後ろを見れば私のいた場所に矢が刺さってる。
ゾッとした。
って、あれ……?
「きつ、ね?」
そこには、狐じゃなく、女の子がいた。
「わたくし、千里(センリ)と申します」
「せんり?」
「“こちら”でのヒトガタは約30~40分間しか持ちません。
しかし、千里は強いのです。
ここは私にお任せを!」
「ありがとう!」
私は一気に廊下を駆け抜けた。
目の前には扉。
ゆっくりとそれを開けば、中に黒猫が一匹。
「シャルディ?」
でも、何か違う……。
「来るんだ、此方へ」
でも、シャルディの声?
ゆっくりと足を進める。
ガクンッと体が傾いた。
床に、穴が空いたんだ。
あー私、落ちるのね。
真っ暗な闇の中私はひたすら落ち続けた。