Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「シルバー!?」
シルバー(らしき人)が横たわっていた。
いや、あれは絶対にシルバーよ。
私はシルバーの元へ駆けよった。
「シルバー!」
やっと見つけた事への安堵から涙が流れ落ちた。
そしてぎゅっとシルバーを抱き締めた。
「……シルバー?目を、開けて……」
シルバー、なんで、答えてくれないの?
そんなの嫌よ?だから、お願いよ……。
震える手でシルバーのフードを取った。
初めて見た、シルバーの顔。
少し、青みがかった黒髪。
閉じられた、瞳。
「シルバー……」
やっと見れた、貴方の素顔。
だけど……だけど……。
目を、覚まさない。
ねえ、シルバー、貴方本当に……。
世界から、色が消えていく様な感覚に陥った。
って何考えてるの?
そんな馬鹿な事考えちゃ駄目よ……。
私が、信じなくちゃ。
でもっ……。
「うっ……ひくっ……」
「……泣いてんなよ」
世界に、色が指す。