Magic Rose-紅い薔薇の少女-
そんな、強い瞳で見られたら
反論なんか出来るわけ無い……。
「外で、千里が待ってるわ」
「センリ?」
「時間(トキ)の番人に仕える狐の一族って言ってわ」
「成る程な」
シルバーは私の手を引き、走り出した。
しかし、私たちの行く手を邪魔するかのように何かが立っていた。
「ねぇー、ままはどこー?」
それは人形だった。
私と同じくらいの身長の人形。
「……まま?」
クスッと横でシルバーが笑った。
「ワラった?」
この子……もしかしたら……。
「まま!」
「餓鬼かよ……」
「シルバー」
私の予想が当たればいいけれど。
「ままを探してるの?」
「どこ?」
「アナタの名前は?」
「どこ?」
駄目だ。会話にならないわ……。
あ、そうだわ!
「アナタのままに頼まれたの……」
「まま!まま!!」
人形はそれだけを叫び続けた。