Magic Rose-紅い薔薇の少女-


「怖かった……
本当はね、私、ずっと此処に来るまですごく怖かったの」

私を襲う、恐怖。
助かる保証なんてない。
シャルディやシルバーが存在している保証なんてない。

そんな不安と恐怖の負感情に押し潰されそうで……。

「不安で……不安で不安で仕方がなかったの」

泣きじゃくる私をシルバーは優しく抱き締めてくれる。
そんな暖かさにまた、涙が溢れた。

「離れないで……一人に、しないで」

「離れないよ、一人になんてしないから……」

こんな我が侭言って、ごめんなさい。
きっと私、迷惑かけてる。

「だから、先に進もう」

シルバーは私の手を握ってくれた。
暖かい手。
私の不安までもを包み込んでくれたような感覚に陥った。

シルバーの優しさが伝わってくる。

そう言えばこうして触れ合うのは初めて……。
一度、触れようとしたのに弾かれたものね。

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