Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「傷跡に、攻撃の仕方。やっぱり……響堵(キョウド)兄ちゃん!」
千里の視線の先には、カッと光を背にし、狐が立っていた。
千里と同じ、尻尾は三本……。
だけど、銀色の狐……。
その銀色の狐は人に姿を変え、こちらに向かってきた。
「千里、約束は破るためにあるんじゃない。
あれだけ馬鹿なことや無茶はするなと言ったじゃないか」
「すみません……」
「まったく、お前は昔からヤンチャなんだよ」
ペチッと千里の頭を叩いた。
そしてその人は私の方に向き直り、深々と頭を下げた。
「や、ちょっ……あの、顔上げてくださいっ!」
「はい。」
うわっよく見ると凄いカッコイイ……。
「まだ、此処には敵が潜んでる。
千里、お前ならどうする」
「では、響堵兄ちゃんは番人様を頼めますか?
私はシルバー様と一緒に行きます。
取りあえず此処を抜けるまでは別々に移動しましょう」