Magic Rose-紅い薔薇の少女-


私の背中にも、矢が刺さった。
私もまた、貫通したみたいだ。


痛い、痛い……。
意識がもたない…………。


矢が突き刺さった場所がじんじんと熱くなりはじめているような気がした。

焼けるような痛み。

目すらもう開けられない。


私は意識が朦朧としながらも、響堵さんを抱き締めたまま、その上に倒れ込んだ。


ああ、私……このまま死ぬのかしら?

この世界を救えないまま、カルタスの世界で、一生を終えるの?

そんなの悔しすぎる。
だけど、よくよく考えてみれば、私は最初から駄目だったのかもしれない。

こんなの不可能だったのかもしれない。
ついこの間自分に魔力があることに気づき
ついこの間ヘルシオンであることを知った

そんな私が悪名高いカルタス家に勝てるだなんてそんなこと思っていたなんて……。


ああ、自分の未熟さが嫌になる。

皆、ごめんなさい…………。

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