Magic Rose-紅い薔薇の少女-
やけに、森が静かになった。
おかしい。
殺気で溢れかえっていたこの森が、一瞬のうちに静かになる。
怪しすぎる。
まさかローズの身になにか……。
「シルバー様!あれを……!」
千里の叫び声に俺も同じ方向を見る。
そこには背中に矢が付き刺さった
響堵さんと、ローズだった。
「まさか!そんなことって……。」
千里が辛そうに吐き捨てた。
「後ろをとられたか、おい千里……」
こんなときこそ冷静でいなくてはいけない。
取り乱したりなんかしたら正常な判断が下せない。
千里はまだぼーっとしていた。
大体は何考えてんだかは分かるがこんな時にそんな事を思う暇なんてない。
俺はもう一度千里に声をかけた。
「千里!ぼーっとしてる暇なんてないぞ」
「は、はい……!(だって、この体制、まるで……)」