Magic Rose-紅い薔薇の少女-
とりあえず、おばば様が番人様と響堵兄ちゃんの手当をし、一命はとりとめた。
とは言っても、意識は戻らず眠ったまま。
本当に大丈夫なのだろうか
と、一瞬不安がよぎるが、おばば様を信じようと、必死でその邪念を振り払う。
なんたって“あの”おばば様なんだから大丈夫に決まってる
と。
「シルバー様」
私は眠る番人様の事を心配そうに見つめるシルバー様の様子をしばらく黙って見ていた。
だけどもう我慢の限界。
そう思い声をかけた。
「村一番の看護師を、ご紹介いたしましょうか?」
「看護師……?」
「番人様のです……」
こんな辛そうなシルバー様は見ていられない。
何か彼が仕出かしそうな程危なっかしく見える。
「それならば頼もうか」
「はい、わかりました!」
私は番人様の眠る部屋を後にした。