Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「ふーん、そういうわけね?」
私は杏里姉様に頼みにいった。
彼女の腕前は賜物だ。
ベテランですらを腰を抜かす程の。
我が姉であることがとても誇らしい。
「千里」
私は念を押す杏里姉様にコクリとうなずいた。
「それじゃあ千里、私は行ってくるわね」
ニコッと微笑む。
ああ、やっぱり杏里姉様はお優しい。
私の誇らしい姉様。
「響堵様、よろしくね」
さらにニコリと笑う。
自分でも顔が赤くなるのがわかった。
恥ずかしいっ……!
でも杏里姉様に見透かされてるのがもっと恥ずかしい!
この様子じゃ杏子姉様も気づいている。
穴があったら入りたい。
「ね?」
「も、もう!おばば様がいるじゃないの!!」
カァァッと熱くなりながら言う私に対し杏里姉様は……
「はいはい」
と簡単にあしらった。
「杏里姉様ぁぁぁぁ!!」
私の叫び声が響き渡ったのは言うまでもない。