Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「しっつれいしまっす」
なんともまぁ空気の読めない…………って。
「ら、雷兄様!!」
「おばば様、響堵が奥にいるんですよっ」
プンプンとか言いながらさりげなくおばば様を落ち着かせる。
プロだわ。
雷兄様はプロだわ。
雷兄様、かっこよくて、少しちゃらんぽらん。
なんなのかなぁ、このギャップ。
「千里、奥においで」
響堵兄ちゃんとは幼なじみで今は付きっきりで見ている雷兄様。
「うん」
雷兄様に促され部屋に入る。
響堵兄ちゃんが、横たわってる。
番人様と、同じ。
「千里、俺な」
いきなり雷兄様は語りだした。
「この銀狐が嫌いだったんだ。
千里は、兄ちゃん兄ちゃんって実の兄の俺よりなつくし
響堵は響堵でなんか千里には俺と違って妙に優しいし」
グサリと何かが突き刺さった。
さりげなくさりげなく雷兄様は私の愚痴も溢してる。