Magic Rose-紅い薔薇の少女-
――ローズ
――ローズ
誰かがよんでる、私の名前……。
ダレ……?
「ん…………?」
パチッ
と目を覚ました。
え……!?
此処は!?
ガバッと起き上がった。
見慣れない部屋。
畳……?そう、これが畳……。
ってことは和室?
って、私、和服を着て……。
障子が開いて、外が見える。
庭……?
「…………」
シルバー、ごめんなさい。
「ローズ、今日は花を摘んで……」
鼻歌混じりに部屋に来たシルバー。
しかし、私がいないのを見つけ、目を見開いた。
「ローズ!?」
しかし私はその頃もう既に響堵さんの部屋の前にいた。
響堵さん……。
私のせいで……貴方まで……。
「ローズです。入りますよ……?」
カラカラと虚しい音を立てて障子が開く。
まだ、眠っている響堵さん。
ごめんなさい……。
きっと別の方法もあった筈。
でも、響堵さんはこの道を選んだ。
それに何か意味でもあったの?