Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「万里」
ビクンと万里が跳ねた。
文字通り本当に。
「番人様が起きたら直ぐに知らせて頂戴って、いった筈よね?
私、たしかにそう言ったわよね?」
「ごごごごごめんなさいぃぃぃ!!!」
がくがくブルブルと万里は震えていた。
「なぁに万里、そんなに怯えて」
あ、あの、お姉さん(?)黒いオーラ、出てます!
「万里ぃぃ!!」
「い、やあぁぁぁ!!」
恐ろしいものを見たわ。
「番人様、お身体の調子はどうですか?」
さっきのことはなかったかのように私の事を心配してくれるお姉さん(?)
しかしその後ろには……いいえ、なんでもないわ。
「あ、お陰さまで……って貴女はどちら様でしょうか?」
「万里と千里の姉で、杏里と申します。以後お見知りおきを」
これまた可愛らしいお姉様な事で……。
「よろしければ家に来ませんか?気分転換も兼ねて」
「迷惑には……」
「万里も喜びますから」
「……はい!」