Magic Rose-紅い薔薇の少女-
私は杏里さんに付いて行き、家についた。
杏里さんは中には入らず、庭、いや畑の方に回った。
「杏子!雷!」
杏里さんが呼んだその先には、杏里さんとそっくりな女の人と、少し癖っ毛で、短い髪の毛を頑張って後ろで束ねた男の人がいた。
「杏里!……あ!」
女の人は私を見つけると会釈をした。
「あ、えと、初めまして!」
私はペコリとお辞儀をした。
顔をあげると、男の人が寄ってきた。
「初めまして~、雷って言います。
いやぁしっかしかっわいいなぁ~」
軽っ、何この人、軽!!!
「や、あの……」
その瞬間、雷さんと私の間を何かが通り抜けた。
サクッと地面に突き刺さったソレは、ナイフだった。
怖っ!!
「杏子姉か!?」
「番人様への手出しはこの私、杏子が許しません!」
杏子と名乗った女の人は、もう一つ、ナイフを持っていた。
ちょ、え、怖い!コノヒトコワイワ!!