Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「おかえり、ローズ」
「シルバー!」
「楽しかったか?」
「うん、凄く」
私、シルバーには沢山迷惑かけちゃった。
「あの、シルバー……」
「謝るつもりなら聞かない」
「でも……」
「プラマイゼロ」
「へ?」
「だってローズは俺を助けてくれたんだからな」
「うん……」
「ローズ、疲れただろう。もう寝た方がいい」
私はシルバーの言う通り大人しく布団に潜り込み、そのまま寝た。
だから私はシルバーと響堵さんの会話なんか知るよしもなかった。
シルバーは私が寝た後、フードを被った。
「何処へ行く」
「嗚呼響堵さん……下見、ですよ」
「そうか」
シルバーはすれ違い様、響堵さんに問いかけた。
「いつ目を覚ましたんですか?」
「ずっと前だ」
「そう、ですか(なんつー人)」
シルバーが出ていき、間もなくして響堵さんの後頭部が何者かによって捕まれた。
「杏里、か?」