Magic Rose-紅い薔薇の少女-
私の頬に暖かい何かが伝う。
「私が動けない今、カルタスが何をするか……
おば……お母様に何かあるかもしれない。
街が大変な事になっているかもしれない。
もしかしたらもう…………
手遅れなのかもしれない。」
見えない不安が、怖い。
「不安で不安で、仕方がないんです……
シルバーも、もううんざりしてるんじゃないかって……呆れてるんじゃないかって……」
「あの……」
その時、万里が部屋に入ってきた。
泣いてるところを見られた!?
恥ずかしいっ……。
「姉様、終わりました」
「万里、いい子ね。ありがとう」
終わった?
「番人様、さぁさぁ涙を拭いてくださいなっ」
ああ、本当にこの子は日だまりのようね。
私はグイッと涙を拭った。
「さぁ番人様、こちらへ」
私は杏子さんの元へ行った。
「帯、キツかったでしょう?」
そう言い、杏子さんは私の和服の帯をほどいた。