Magic Rose-紅い薔薇の少女-


「番人様、もう行くんですね?」

千里、泣きそうな顔してる……。

「千里、行ってきな」

「雷兄様……」

「そうだよ、雷の言う通り」

「響堵兄ちゃん!!」

「ムッ!?俺と反応が違う……」

千里にとって辛い決断。
家族とは、大好きな人達とは、誰だって離れたくないもの。

私はそれを無理強いなんかできない。

「千里、残ってもいいのよ?」

「いいえ」

千里はうつむいていた顔をあげる。
涙でグチャグチャになっていた。

「私もご一緒します!いえ、させてください!
それが私の使命なのです!!」

「姉様!」

ガバッと万里が千里に抱きついた。
きっと、万里にとって千里は誰よりも大好きな人な筈。

「万、里……」

千里も万里を抱き締め返した。

「姉様っ、いってらっしゃ……うぐっ…………」

「万里……」

最後まで言えなかった万里を杏子さんは抱き締めた。

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