Magic Rose-紅い薔薇の少女-


「時間の止まった少年と、
時間を止めた少年、か……」

フィレンツェはクスクス笑った。

「番人サマはソレを知ったらどう思うのかね……」


――――

「水仙、礼を言う」

そうしてシルバー様と、番人様はゲートの中へ消えていった。

「番人様……」

どうかご無事で……。

「行かないのですか?
ゲート、閉じちゃいますよ?」

「フフッ、そんなの“ゲートの管理人”の貴方にならわかりきってる事じゃないの?」

「……です」

「……さりげなく略さないでよ」

狐(わたし)に、このゲートは通れない。
私達にはその資格がない、持っていないのだから。

「あれ?千里さん、何処へ行くんですか?」

「狐(べつ)ルートで向こうの世界へ、ね
私はたとえ、自分が消えようと、関係ない
番人様を命がけでお守りする。
それが狐(わたし)の使命だから……」

「(使命、ね……)」

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