Magic Rose-紅い薔薇の少女-
『千里』
『かあさま?なんですか?』
優しい、かあさまの笑顔。
『いい?貴女は将来、番人様を命をかけてお守りするのよ』
『ばんにんさま?』
『きっと私達家族の中で最も番人様に近い存在になるわ』
ぽろっと涙がこぼれ落ちた。
今は亡き、愛する私のかあさま。
「か、あさ……ま」
会いたい、会いたい!
杏子姉様、杏里姉様、雷兄様、万里……
響堵兄ちゃん。
会いたい、会いたいよぉ……!
かあさま、かあさま、会いたいです。
貴女の優しい笑顔が、再び見たいです。
また、その暖かい手で、私を優しく抱き締めてほしいです。
貴女のその手が、恋しいです。
「このままだと、ローズは……」
水仙が重々しく口を開く。
「扉(ゲート)から出られなくなってしまいますね……」
辛そうに顔を歪める水仙。
「“しまいますね”じゃないわよ!」
「大丈夫です、サラがいます」