Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「助けに来たよ、ローズ」
「サラ 」
ニコリと微笑む彼女は大人になっていた。
「吃驚した?それとも驚いた?」
「どっちも同じじゃ……」
「ふふっ、本来なら私、22歳だものね!
こっちの方が自然じゃない?」
黒い羽根があの時の悲劇を物語る。
胸が痛くなる。
ごめんなさい、ごめんなさいって。
「やだ、ローズったらそんな顔しないで?
貴女は何にも悪くない
と、言うか私はもう死んじゃってるんだからむしろこの方がよかったの」
それでも私は後悔してるんだ。
「ローズ、お母様を一人にしないで?
その為にも貴女は生きて帰らなくちゃ行けないの」
お母様を……?
私ったらお母様を一人のするところだった!
「大丈夫、私が」
――この孤独の世界から連れ出してあげるから。
「そのかわり“フィル”にこれを」
「フィルって……」
何処にいるの?
「耳を貸して」
そしてサラが名前を口にする。
「わかった」
――私の、愛しい妹。
永久に、さよなら。