Magic Rose-紅い薔薇の少女-


最後に見た、お姉様の顔は涙で滲んでよく見えなかった。



「ローズ!」

目を開ければ視界いっぱいに広がるシルバーの顔。

――永久に

もう、会えない……。

「ローズ、シルバー」

「おばっ……お母様」

なんだかとても懐かしくて……

「おかえり」

「うわぁぁぁん!」

泣きじゃくる私をお母様は優しく抱き締めてくれた。

「ごめ、ごめんなさいっ、サラを、お姉様を……助けることが出来なかった!」

私にしか、出来ないことだったのに。

「私しか、いなかったのに……」

「リリス」

シルバーの口から飛び出した、シルバーの妹の名。

「そうだろう?
後悔するような事は一つもない」

シルバーは私の頭を撫でてくれた。

「あり、がとう……皆、ありがとう……」

私は、この優しさに支えられて来たんだ。

ここに居てはいけないのかと悩んだ事もあった。
幸せが恐い時もあった。

それでも一緒にいたいと思った。

だから、私は……

戦うわ!!

いざ、カルタスの城へ!!

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