Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「いってらっしゃい」
去っていく娘の背中に声をかける。
私の横に幻影が現れた。
――「意外、すんなりいったのねー」
「ローリエ……」
こいつには色々助けられたものだな。
「ローズの力となるのだ。
お前はあの子に恩を返さねばならぬ」
――「ええ」
「何かあった時には、お前があの子を止めてやってくれ」
――「はい!」
ニッコリと返事をするローリエ。
随分と変わったものだ。
「それでは行け」
――「はい」
ローズ、お前は未知だ。
魔力も、人を引き付けるその特別な、何かも。
絶対にカルタスになんぞ勝利の座は渡さない。
光の魔法使いの一族としての名誉を。
一代目からの恨み、憎しみを。
全て……ローズ、お前が変えるのだ。
神に愛された子よ。
どうか、お前が世界に幸せをもたらすことを……。