Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「ハハハッ、そうこなくっちゃね
ゲームは手応えがナイと面白くない」
仕事(くに)の事ばかりの両親よりも
兄(おれ)になついていたエクセディ。
いつしか俺も忙しくなり
構うことが、少なくなった。
――孤独。
いつもの笑顔が消え、無表情のエクセディが増えた。
愛想笑い一つ出来ないほどに、なってしまった。
それでも彼女は俺の前では笑顔だった。
ある日、両親が死んだ。
馬鹿な親だった。
別に悲しくはなかったんだ。
行き場のなくなった兄妹。
一つだけ、出来ることがあった。
“ヘルシオンの殺害”
赤い薔薇の少女はどこか、白薔薇の彼女と似ていた。
もう、戻ることなどできない。
「不様じゃないか、滑稽だな」
自分の未熟さを知る。
俺は、いつでもデキソコナイだった。
デキソコナイはカルタス家にはいらない。