Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「ローズが変わり者かなんて外見で判断することじゃない。
ランティス、とにかく君は市場に出ない方がいい」
「いやよ!私の唯一の息抜きを奪うの?
そもそも、私は、
この小さな家で“あんな子”と二人きりなんて世間様に顔向けできな……「いい加減にするんだなランティス!」
ランティスの愚痴が増え、その代わりに父がローズを可愛がり……
しかしその生活ももうローズが三歳になった頃、出来なくなってしまった。
「おとうさまぁ……」
「あなた……私をおいていく気!?そんなの……」
「おとうさまぁ、わたしは、わたしは」
まだ舌っ足らずなしゃべり方のローズは懸命に父に話しかけようとした。
「おとうさまがいなくなったらかなしい。
さみしい。だからいかないで……」
しかしランティスとローズの願いは惜しくも届かなかった。