Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「ったたた……」
ここは……?
目の前には緑が生い茂っていた。
森?
そうか、森へ飛ばされたのね……。
なんだかとても、嫌な予感……。
「いたっ!」
身体が、痛い。
でも、こんなところで休んでる場合じゃないのに……。
「風よ!力を貸して!!」
フワリと身体が浮く。
私が行かなきゃ、誰がいくって言うの!?
行かなくちゃ……皆のためにも……!
「ハッ!これ、は……」
街が……崩壊してる……。
建物は崩れ、あの活気溢れて素敵な街の面影は一つも残っていなかった。
こんなのって……。
また暫く飛んでいると市場が目に入った。
市場まで……。
あれだけたくさんの魔法使いがいたのに……。
カルタス……。
全部、全部……カルタス。
カルタス、カルタス、カルタス!!
――駄目だ!
この声って……
ローリエなの?
――駄目だ、まだ……。
“また”暴走してしまうぞ!
また?
またって何……?