Magic Rose-紅い薔薇の少女-


――暴走したら貴女は……
  この街をさらに壊してしまうだろう。
  貴女にはそれだけの力があるのだ

私に、そんな力が……?

――力を、
  完全に、コントロール出来るまで
  理性を失っちゃ駄目なのだよ!

ローリエ……。
だけどね

「そんな時間がもうないのよ!」

一刻も早く終わらせなくちゃいけないのに。

――わかっている……

私ったら……

「ごめんなさい、言い過ぎたわ」

――私には、貴女のその
  “失いたくない”
  そんな気持ちがわからないのだ


ローリエ……。
貴女……

そうだよね、今までローリエは孤独と戦ってたんだもんね。

わからなくても、仕方ないよね

――わからない。
  失うものがない
  失いたくないものがない。

  大切なものがない。

  私はずっと壊し続けてきたのだから。

  失望感なんて、ないのだよ。

「ローリエ……!」

――でも、
  ローズが守りたいと思うものを
  私も守りたいと、思うのだ。

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