Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「ん?」
ローズ、ここからは私に任せてくれ。
「何だ?」
「初めまして、フィレンツェ・カルタスよ」
「お前は……?」
「かつて、お前の妹であるエクセディ・カルタスに利用された、もう一人のローズ」
「ほぉ、お前が?」
私は貴女。
貴女は私。
決して交わることはなく、
はたまた、離れることもない。
「私はローズとして生まれた」
存在意味のない、ローズとして。
「そして私は見つけた、“わたし”を」
「まぁ、そんな昔話はいい。
今度はお前が相手をすると言うのか?」
見下したような目。
何もかも、自分より下だというその目。
「そういうことだ」
そんな目、この私が捻り潰してやる!
「お前の目は、俺に似ている」
「嬉しくないな」
「同感だ」
「「自分と同じモノなどいらない」」
消してやる。