Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「ああ、俺にはわからない。
わかりたくもないものだ」
ああ、そう。
こいつは冷血で非道な人間なんだな。
「だから私はローズの為にお前を殺る」
「中々面白いじゃないか」
奴は炎を巻き起こす。
私は対抗するように水を踊らせる。
「お前では俺には勝てん」
「そんなわけがなかろう!
魔力では明らかに私の方が上だ!!」
「いや違うな」
コイツ、何が言いたいのだ?
「その力はお前のモノじゃない」
「私のモノだ!」
これはローズのモノ。
だから、ワタシノモノ。
「それは、ローズ・ヘルシオンのモノだ」
「私はローズだ!
私も同じローズなのだ!!」
誰が何を言おうと私はローズだ!
「お前はローズではない」
「違う……私はローズで……」
私はローズとして生まれたんだ。
この力は私のモノの筈だ。
「ローズで…………」
ローズで
ローズで
ローズで
ローズなんだ。