Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「駄目です」
しかしそれは水仙によって阻止された。
「な、んで……?」
「謝らないでください。これは私が勝手にやっているだけのことです。
何か言うのでしたらお礼にしてください」
「あり、がとう」
ああ、なんて素敵な人なんだろうか。
優しくて、とても暖かい人。
「水仙がいてくれるってだけで凄く心強いわ!!」
「いいんですよ」
ニコッと微笑む水仙。
やっぱり綺麗な顔……全く、羨ましいわね。
段々、煙もなくなってきて、視界が開ける。
「……」
ゴクリと唾を飲み込む。
「おやおや、なんだ、もう入れ替わったのか。つまらないなぁ」
「何ですって!?」
「あいつの方が楽しめたのにな」
「うるさい!!」
楽しむだなんて最低よ!
「ヘルシオンのお姫様が今度は俺の相手をしてくれるんだろう?」
目の色が、雰囲気が、変わった。
ガラリと。まるで別人みたいに……。
殺意、殺気。
そんなのが溢れてる。
怖い。
足が、すくんだ。