Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「お前は弱い」
そう、ね。
確かに私は弱いわ。
魔力ばかり強くて。
それを使いこなせないし、怖がり。
「本当は何も信じていないんだろう」
違う、そんなことない。
「上辺だけなんだろ」
違う、違う。
そんなの絶対に違う!!
ゴォォと体内から魔力が一気に放出されるような気がした。
いや、実際に、していた。
魔力の波動で壊れていく。
木々が、地面が、建物が。
「そんなの私じゃない!!」
「ローズ!止めろォォォ!!」
シルバーの、声?
「ちがう、違う……」
――せっかく落ち着いたのに
奴めまた暴走させやがって!
カルタス、許さぬぞ!!
違う、違う、ワタシ、ワタシなの……?
「ローズ、止めろ!このままじゃお前が世界を壊すことになるぞ!」
「あ、ったか、い……?」
その瞬間私は包まれた。
黒い何かに。
「ローズ……」
耳元でシルバーの悲しそうな声がする。