Magic Rose-紅い薔薇の少女-


飛んでくる魔法を剣でガードする。

「避けてばかりでは面白くないぞ!」

そういえば私、フィレンツェに全然攻撃してない……。
反撃を、ダメージを与えなくちゃいけないのに
私にはそれが出来ない……。

フィレンツェを傷つけるなんて出来ないわ……!

でもそれならばどうしたら?

カルタス家はヘルシオン家の敵。
倒さなくてはいけない存在。

私の不安に応えるかのようにポウッと剣が光った。

「え……?」

身体が、手が勝手に動き、剣はフィレンツェの方に向いた。
そしてその先端から光が出、フィレンツェの心臓を貫いた。

「やっ、なん、で……」

心臓を貫かれたフィレンツェは心臓ではなく頭を押さえた。

「うっ、あ、あああ!!」

何が起きているの?

「くっ、あ……!」

私の、頭の中に何かが流れ込んできた。

「うっ、何よこれ!」

吐き気がした。

「まさか、これって……」

フィレンツェの、記憶……?

< 236 / 258 >

この作品をシェア

pagetop