Magic Rose-紅い薔薇の少女-
飛んでくる魔法を剣でガードする。
「避けてばかりでは面白くないぞ!」
そういえば私、フィレンツェに全然攻撃してない……。
反撃を、ダメージを与えなくちゃいけないのに
私にはそれが出来ない……。
フィレンツェを傷つけるなんて出来ないわ……!
でもそれならばどうしたら?
カルタス家はヘルシオン家の敵。
倒さなくてはいけない存在。
私の不安に応えるかのようにポウッと剣が光った。
「え……?」
身体が、手が勝手に動き、剣はフィレンツェの方に向いた。
そしてその先端から光が出、フィレンツェの心臓を貫いた。
「やっ、なん、で……」
心臓を貫かれたフィレンツェは心臓ではなく頭を押さえた。
「うっ、あ、あああ!!」
何が起きているの?
「くっ、あ……!」
私の、頭の中に何かが流れ込んできた。
「うっ、何よこれ!」
吐き気がした。
「まさか、これって……」
フィレンツェの、記憶……?