Magic Rose-紅い薔薇の少女-
ゆっくりと万里は目を開けた。
「万里!!」
千里は万里に抱きついた。
「よかった……まったく、貴女って子は!」
「千里、姉様……?」
「万里」
「ば、ばば番人様!?」
「番人様が貴女と私を助けてくれたのよ」
「あ、あの……ありがとうございます!」
やっぱり万里は笑顔が似合うわね。
「いいのよ、あとここまで手当したのは私のお母様よ」
「「あ、ありがとうございました!!」」
「気にするな、当たり前の事をしたまでだからな」
「ところで二人ともこれからどうするの?」
もう戦う必要はなくなったんだし、
二人はやっぱり村に帰るのかしら?
「万里を連れて帰ります。
いつまでもお世話になるわけにはいかないですしね」
「そう……」
なんか寂しいわね。
日常が戻ってくる。
確かにそれはとても嬉しい事。
だけど、千里たちとも別れなくちゃいけない。
「何、シャルディとローズの結婚式までいればいいじゃないか」
「「結婚!?」」
見事に私とシャルディがハモった。