Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「はい母様、手紙書けたわ」
「ありがとう」
「見るなよな!」
「アルト、見ちゃいけないような事書いたの?」
「姉ちゃんは黙ってろよ!」
「姉様、でしょ!」
「へッ」
シャルディ、相変わらず皆元気で賑やかよ。
だから安心してね。
「さぁ手紙を出すからね!
アリシア、アルト宿題は?」
「終わったわ」
「……まだ」
「じゃあアルトはやっちゃいなさいよ
アリシア、リグ見ててね」
「はーい」
「やりたくねー……」
学校、ね。
羨ましいわねー。
私も行ってみたかったなぁ……。
魔法学校なんだからきっと楽しいわよねー。
私が行けなかった分、この子達にはたくさん楽しんで、勉強して欲しい。
「じゃあ行って来るわねー」
「いってらっしゃーい」
本当にあの子達が生まれる前にすべてが終わってよかった。
大切な子たちまで巻き込みたくない……。
お母様は、ずっとそう思っていたのかしら……?
だから伯母様の元へ私を預けたのかしら?
親になって、初めてわかることが多くて
私、幸せ者ね。