Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「それでも嫌なら死ぬまでだ。生きるか死ぬかしかないのだから」
いきるか、しぬか
いつの間にか雨も止み、風が二人の間を通り過ぎて行った。
「いきる」
しばらくの沈黙の後、ローズは答えた。
「名前なんて……しょせん名前!もういいや!」
「そうか」
エルザはローズに手をかざした。
な、何!?
そして何か呪文を唱えると、手からポウッと金色の光が出てきた。
まほう!?
いしきが……
けっきょくころされるの?
ローズは意識を手放した。
「悪いな、こうする方が楽なんだ」
そう呟き、空を見上げた。
雲の切れ間から月が見える。
「サラ、守れなくてごめん」
エルザは悔しそうな顔をする。
「エルザ様、アレは事故でした」
「だが私のせいだ」