Magic Rose-紅い薔薇の少女-
それから三年の月日が流れ、ランティスは昔と同様、ローズを可愛がった。
「ローズ!」
「はーい」
「花を摘んできてくれる?」
「うん!」
「約束は絶対忘れちゃダメだからね」
「わかってるよ!」
約束、それは父が亡くなってから母がローズと約束したことだった。
“一人で絶対に遠くへいかない、人目につかないようにすること”
ローズは鼻唄を歌いながら外へ出て、さっそく花を摘み始めた。
サアァァと風がふく。
「何!?」
何かの気配を感じ取ったらしくローズは素早く立ち上がった。
そしてだんだん風は強まり、渦を巻いた。
咄嗟にローズは目を瞑った。
「……っ」
風が収まった頃、目を開けるとそこには真っ黒なローブを着、フードを深く被った一人の人が立っていた。