Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「ん……」
目を覚ますとローズは見慣れない部屋にいた。
あれ?ここは……?
あ、わたし、生きてる……。
「目を覚ましたか」
「エルザさん」
「手荒な真似して悪かったね」
「いや、そんな……」
エルザは部屋をぐるりと見渡し、再びローズの方を向いた。
「ここは私の家だ。ここに残りたいか?」
その問いかけにローズは迷わず答えた。
「のこりたいです」
殺されなかったことに安心し、気づけばそう答えていた。
エルザはニッコリ微笑んだ。
「ローズ、いや、お前はこれから“レディ”だ」
レディ、それはわたしのあたらしい名前。
エルザさんは自分のことを“おばさま”そうよばせた。
たまに出入りする、あの黒いローブのおばさまの弟子に
愛猫シャルディ。
あれから九年。
私はもうすぐ16歳になります。