Magic Rose-紅い薔薇の少女-
シャルディの姿が完全に見えなくなるのを確認し、再び作業に戻った。
あら?この感じ……。
サァァと風が吹き、渦を巻く。
その様子を私は静かに見守っていた。
「久しぶりね」
そう声をかけた先には黒いローブの男が立っていた。
「最近見かけなかったわね?」
「極秘任務だ」
私は何故かその
“極秘任務”の内容なんかよりもずっと
“彼の名前”の方が気になった。
「ねぇ、貴方の名前は?」
「シルバー・ハウエル」
彼は無口な方だと思う。
いつも必要最低限の事しか話さない。
一緒にいても会話はないけど、何故だかすごく落ち着く。
そんな雰囲気の持ち主だった。
「素敵な名前ね」
シルバー・ハウエル、ね。
「そうか?」
「うん、私その名前好きよ?」