Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「両親は俺と妹が出掛けている間に殺された。
妹は、俺の、目の前で……。
俺は逃げ出した。
両親が居なくなってからたった一人の家族だったのに」
そうしてシルバーは天涯孤独になってしまった、と。
私は気づけば生暖かいものが頬を伝っていた。
ああ、私、泣いているのね。
フードの中で何かが光ったような気がした。
そう、まるでシルバーは泣いてるみたいに。
いや、彼は泣いていた。
私は彼を慰める(?)べく顔を包み込もうとした。
大丈夫だよ、と。
「きゃっ!」
然しまた、勢いよく振り払われてしまった。
「す、すまない」
「い、いいのよ。私も悪かったんだし。
お互い様よ、ね?」
そうこうしている内に、雨がポツリポツリと降り出し、徐々にザーッと降ってきた。